対話は誰にでも出来ること
純:なんていうのかな。
山内さんがすごいところは、
対話するっていうことが誰でも出来ると言えるところが。
山:そうですか!そうキャッチして貰えたことが
私はとても嬉しいです。
純:そうですか?
山:だって私しか出来ないって言ったらおかしいでしょ?
純:それですよ。私もね、そこがポイントなんです。
山内さんしか出来なかったら、
全国の妊婦さん皆の対話を一人でやらなきゃいけない(笑)
でもそれだと山内さんが神様になっちゃう。
それはちょっとおかしいんです。
山内さんのすごいところは、
皆も出来るんだよってやり方を教えるところですよ。
ある人は、突然出来るようになっちゃったから
やり方が教えられない。この人が特別なの。
でも山内さんはそうじゃない。
すごく面白いんです。
山:そうかぁ~。
純:普通なの。普通なのにすごいの。あははは(笑)
山:さら~っと褒めてくださる、そこが純子先生の大好きなところ(笑)
一般的には、たぶん、私や純子先生はああいうふうになりたいって
思われてる対象なんだと思うんです。
でも、普通じゃん!皆一緒だよ出来るじゃん!って言うと、
皆は、えーそんなの無理!て思うんだって(笑)
純:そうなんだ(笑)
山:うちの対話師養成講座にくる人は最初に皆言うね。
出来ないのは思い込んでいるからだけ、
自分とは違うって思い込んでいることが違うんだよって
言っても、なかなか受け入れがたい。
心のブロックがあるの。
そのブロックはお母さんたちでいうと‥
私が赤ちゃんのことを分かるはずがないとか、
私がこうやって気持ちをかけていれば
分かってくれるよね?等‥
考えのフタをするという、ブロックなんですよね。
他にも、お腹のなかで対話してたから、
アドバンテージとして残っているからもういいと、
産まれた後は対話に気を付けなくなる
お母さんもいるんですよね。
純:そういうお母さんたちは
やっぱりまだ当て物的に考えている。
山:そう、お御簾の向こうの話にしている。
そういうブロックを外して、
子育てしていって欲しいんですよね。
だから、産まれた後に通じる対話の練習は
お腹の中にいる時だよ、
産まれたらなお一層、広く対話するんだよと
伝えることを今年の課題にしようかと思っていて。
純:ぜひお願いします。
山:そこが伝わらないと、
第二子、第三子が来るときにまた同じことの
繰り返しをしちゃうと思うんですよね。
対話して産まれた赤ちゃんはキゲンがいい
山:対話をして産まれてきた赤ちゃんと、
対話をしないで産まれてきた赤ちゃんと、
様子の違いってありますか?
純:(対話して産まれてきた子は)ハンパなくニコニコしてるね。
自分も赤ちゃんに対して心から
アイコンタクトできる。
前はかわいいねって言っても表面的だったかもしれない。
でも今は全部その子の考えてることがわかってるから、
ニコニコしてるのを見るだけですごい嬉しいな~っていうか。
気持ちをキャッチできることが幸せ。そう、幸せ度が増した!
山:すごい!モアビューティフルだね!
純:とくにKくん(Hさんの息子さん)とかね。
どんな目で見つめられるか!
山:愛らしいもんね。
愛するっていうことは
こういうことだよっていう顔しているもの。
概念とかではなく。そして概ねキゲンがいい。
純:ただ存在している。あるがままにね。
山:そういう出産を経てきた子たちがどう育っていくのか
私はものすごく見ていきたいです。
実はね、純子先生の本(まってるね赤ちゃん)を読んで、
遠方からお問い合わせがあったんです。
前に純子先生が、この本が仕事をしてくれているって
言っていたことがあったでしょう。
本当に仕事してる!って思って。
きっとお問い合わせくださった方たちも
対話のやり方じゃなくて。
対話をして産まれてくるということが、
どういうことなのか想像がつかないから、
こういう話を聞きたいんだろうなって。
対話はお産、医療も助ける?
純:私ね、逆にもう対話をしないお産が
イメージできなくなっちゃった。
今までどんなお産してたっけ?って。
山:それくらい自然なことだってことかな。
純:そう!産まれる日をだいたいでも
言ってくれるとこっちもね、
休みの日が安心できるっていうか。
私にもスタッフにも心持ちが出来る。
今日も産まれるってわかってる人がいるから
車にいつでも行けるようにもう準備してあるし。
普通なら40週0日が予定日だけど
37週0日から41週6日までが正常な分娩だから、
そこの間の何処かで産まれるっていう‥
もうその間ずーーっと!
山:緊張しっぱなし。
純:休まる暇がない。
産まれる日がわかってると
なんとなくこのあたりは休めると予測がつくじゃない。
山:ありがたいよね。
純:それができれば、お医者さんたちだって
計画分娩しなくてよくなるじゃない。
赤ちゃんがこの日産まれたいって分かっていれば、
その日は夜勤ちょっと増やしとくとか。
山:お産の対話力、これ大事だと思う。
純:そういうのが普通にこれからのお産で
赤ちゃんと同調してコミュニケーションしながら
いつ産まれる?って分かれば
こっちも楽だしより安全にできるし。
赤ちゃんもそれがキャッチしてもらえると、嬉しいよね。
山:嬉しいよね。
そこからぜひ、指図しない子育てを
していってもらいたいよね。
対話は言葉だけではない
純:私のいいところは、感じることは出来るけど、
聞こえたり見えたりしないところなんですよ。
山内さんみたいに言葉では分からない。
なんとなくパッと感じるのはある。
あとはこちらからの問いかけに対する答えを
待っていたときに赤ちゃんが
動いて教えてくれるところが分かるだけで
かなりコミュニケーションが出来る。
山:その感覚はすごくお母さん側にとって
信頼度があることなんですよ。
お父さんは全く分からない人のほうが
多いから説明しないといけない。
動作でもって返事がくるんだよ、
ということがあからさまに分かるわけでしょ。
それを納得するだけでも
お父さんの協力が全然違うじゃないですか。
だから、先生のその感覚はすごく大事なんですよ。
胎動も、なんて言っているのかよく分からないときも
これは解釈じゃなくて問いかけたときのお返事なんだよ、
分かるんだよ、ということを言ってくれる助産師さんが
1人でも増えることでお産がどれほど安心になるか。
純:うん、本当にそう。
赤ちゃんにイメージで伝えるって
山内さんが前にハーモニーワークで
言っていたじゃないですか。
私、両親教室の2回目のときには模型を使って、
回旋の仕方とかを赤ちゃんやママにも
視覚化してもらえるように、
そのことを話しながら、
赤ちゃんにもちゃんと伝えられますよと
話しながら回り方を説明するの。
山:素晴らしい!
それをやった後、回旋異常は減った‥?
純:無いよ。ほとんど。
山:うわー!これ、エビデンスですよね。完全なる。
純:うん。回り方分からない子にはまた教えればいいし。
まあどうしたって回れない子もいましたけれど。
山:それは別の理由もあるからね。
対話が、「お腹のなかの赤ちゃんは分かる」と一般常識を飛び越えてくれた。
通じ合えるんだというところに着目して、
それがいかに医療行為も助けてくれて、
お母さん、家族も助けて、
おまけに赤ちゃんも自分の役目が果たせる。
そういう新しい見解が産まれているというのが
すごく再確認できました。とても嬉しいです。
これから、対話がもっと違う角度で、
何か新しい可能性が出てくるかもしれない。
純:そうであって欲しいです。
山:嬉しいお話をありがとうございました。
また折を見て第二弾を‥。
純子先生ありがとうございました!
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